加茂川河口干潟 生物調査

西条市を流れる加茂川・中山川の河口には、愛媛県最大の面積を有する干潟が広がっています。

春や秋には、シギ・チドリ類が渡来するほか、冬にはカモの越冬地となることから、この干潟は日本の重要湿地500や重要野鳥生息地(IBA)に選定されています。また、底質環境は一様ではなく、河口から3kmほどの間にヨシ原・砂礫・砂・泥…と多様な景観が連続して存在します。そのため、希少で多様な生物が生息しています。

しかし近年、全国の干潟でみられるような干潟の生物の減少や漁業への影響が懸念されています。
この地に生息する生き物を把握し、変化を記録することによって、残されている自然や干潟環境の重要性に目を向け、保全につなげることを目的としています。

加茂川河口干潟 生物調査プロジェクト (2014年)

西条自然学校では、1997年頃から加茂川河口での生物の観察を行ってきました。それまでの断片的な生き物の情報を基に、2014年4月から約1年間かけて、再度基礎調査を行いました。

■調査の成果 [干潟通信:2014初夏版] ・ [干潟通信:2014晩秋版]
原著論文:光澤安衣子・和田太一・和田悠介(2016)愛媛県西条市加茂川河口干潟における底生生物相. 愛媛県総合科学博物館研究報告. No.20, p.1-15.

※このプロジェクトは、パタゴニア日本支社助成金プログラムの助成を受けて実施しました。

加茂川河口でチワラスボ発見(2012年)

2012年6月18日、環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠB類に指定されているチワラスボが加茂川河口干潟で確認されました。チワラスボは、赤または赤茶色の細長い体をしており、あごの下に短いひげがあるハゼ科の魚類です。水のきれいな泥干潟に生息し、普段は泥の奥深くに潜んでいます。
愛媛県内では重信川の干潟で稚魚が発見された記録があり、本発見が2例目となりました。
発見したのは西条西中学校3年の村松宏起君(14)と高松雅史君(15)、横井大輝君(14)の3人です。6月18日午後、授業の一環で干潟の生物観察を行った際、2匹の親魚を見つけ、観察会の講師をしていた西条自然学校の山本がチワラスボではないかと気付き発見に繋がりました。

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